曲 名 下の曲名クリックしても演奏聞けます。
解 説



ルネッサンス時代のマドリガル

 

マドリガルを合唱で楽しむ人たち

  <マドリガル(madrigal )とは何か> 14世紀(700年くらい前)にイタリアで盛んだったのどかな田園を歌ったような短い詩また、こうした詩につけられたパートが二つから三つの歌曲をマドリガーレといいました。次に16世紀(500年くらい前)以降にイタリアで盛んになった、いくつかのパートを合わせて歌う、このような歌をマドリガーレというようになり、これがイギリスに伝えられて発展した英語による歌を「マドリガル」と呼ぶうようになりました。言いかえると、マドリガルはルネッサンス時代に一般市民に広く親しまれた、イギリスの家庭音楽のことです。 マドリガルはさほど深刻ではない愛の歌や、日常生活に密着したテーマを取り上げていますが、音楽はあまり難しくない、言葉のアクセントを生かした明るく楽しいものだったようです。   
  シモネッティー(1859-1928)はイタリヤのヴァイオリン奏者兼作曲家で、ヴァイオリンをシヴォリに、作曲を最初はペドロッティに、後になって「タイスの瞑想曲」を作曲したマスネにも習いました。1881-1883年パリのバドルー管弦楽団のヴァイオリン奏者を経て、1891-1912年にはイギリスのロンドンでヴァイオリンの独奏者やこの楽器を使った室内楽奏者として活躍しました。又、1912-1919年にはダブリン音楽院の教授を勤めました。2曲の弦楽四重奏曲、2曲のヴァイオリン・ソナタの他、小品が多数残されています。
 ここで聞く「シモネッティのマドリガル」は、上記の履歴からイギリス滞在中に古い時代のマドリガルについて研究してから、作曲したものと思われますが、この曲は古きよき時代を思わせるような牧歌的で、甘く流麗なメロディーが特に美しく、絶品といえるような小品だと思います。ここではフルート、ヴァイオリン、ハープの3重奏で聞いていただきます。